(Cubase + Vocaloidによるコンピューターミュージック 私家アレンジ版)
元歌はトワエモアという男女のデュエットですね。
(他にも何人何組かの競作だったようですが それは知りません)
この歌は 札幌の街が新しくなってゆくキラキラとした清涼感や期待感を抱かせますよ。
札幌オリンピックのテーマソングとして大々的に売り出された曲なので 夢に向かって突き進んでゆく弾むような気持が表れているんですよ。今となってはその思い出が内包されて 切ないです。
札幌オリンピックと言えば何と言っても ジャネット・リンですね。
フィギュアスケートアメリカ代表で 当時18歳だったそうですが その愛くるしい姿がもう反則級でした。銀盤の妖精とか札幌の恋人とか ともかく日本中にアメリカ娘の魅力を撒き散らしていった。
(もっとも 日本人としてはスキィジャンプでメダル独占した「日の丸飛行隊」の方を記憶しておくべきでしょうが)
さてトワエモワ。
二人とも歌声はきれいです。でも まとも過ぎて男性の方は(失礼ながら)ちょっとつまらない。
それと 途中から男性が高音でハモるんですが これもよくないなあ。無理やり感がね。これは歌が悪いわけじゃなく アレンジの問題なんですけど。
女性の白鳥さんの方は やはりけれんみなく正統的に歌っていますが こちらは好きです。この人は ムーミンの歌なんかもまろやかに歌ってますね。
作曲は村井邦彦だったんですね。知りませんでした。
この人は 若い時から音楽業界では最先端をいっていたんでしょう。会社の立ち上げ ヒット曲作曲 ミュージシャンの発掘プロデュースなどなど 名前はよく知られていましたね。
この旋律は オーソドックスな下降型が安心感と気持ちよさを与えてくれて 素直で親しみやすい。
そしてこの私家版ですが ヴォーカルの歌い出しに苦労しています。
「虹の」の 「の〜」というシャクリが上手くできないんです。トホホですね。
でも「そして歌」の 「そして〜」が気持ちイイ。
歌詞の方はちょっとシブいですよ。
作詞の川邨という人は 流行歌の作詞家ではなく 本物の?詩人だそうで 暗喩があったり擬人化があったり倒置があったり また言葉遣いに気高さがあります。
≪(影たちが)虹の地平を歩み出て
≪雪の炎にゆらめいて
≪影たちが飛び去る ナイフのように
≪空が残る 真っ青な空が
この辺 すごくいいですね。
しかしですね 言葉の重複にいただけない部分があります。
「あふれる旗…」とAメロが終わり Bメロに移っているのに すぐまた「あふれる夢に」と重複させている。これはいただけません。
韻を踏んでいるわけでもなく 強調した重ねでもない。どうしたんでしょうね。残念な部分だと思います。
まあでも
≪街ができる 新しい街が とか
≪生まれ変わるサッポロの地に とか
全体としては 新しいことへの期待が喜びとして表現されているので 良い歌ではあります。