コンピューターミュージック
1956年と言えば 私は7歳。
でも何故か この歌をよく覚えている。この歌だけじゃなく 50年代の曲でもよく覚えてるんだな。たとえばThe Plattersだよね。でもきっと7歳じゃあ 流れている曲を耳にしている程度だったはずだけど ウチがそんなに洋楽Popsを聴く家庭だったのかなあと。中学生の頃はビートルズマニアだったから もちろん積極的に聴いてたけどね。
まあ その我が家の情景はよく覚えてないにせよ あの頃の歌はすごくよおく覚えてる。戦後 アメリカからジャンジャン入ってきて 日本人の歌手もさかんに歌ってた頃だよね。
この「霧のロンドンブリッジ」ってのも よっぽど流行ったんだろうね。アメリカ・ヨーロッパだけじゃなく 今調べてみると日本の歌手もたくさん歌ってたんだ。
コード進行は黄金のクリシェ。ジョースタッフォード版では それはあまり強調されてないけど 気持ちよさの根源なんだね。
それと この歌は何といっても彼女のヴォーカル。
当時 トランペットヴォイスなんて言われたらしいよ。
♪ ッババーバ バーバーババ バーバーバババー...♪
イントロを男性コーラスがかなり強烈に歌い出す。しかしそこへ彼女がスパーッと割って突っ込んでくるんだね。
♪ I walked on London Bridge last night ... ♪
この ♪ I ...♪ 一発が効いてるんだ。
柔らかくて太くて豊かなボーカルが前ノリで入ってくる。
先行する男性コーラスだって 『ちょっとやり過ぎじゃないの』ってくらい強烈に主張してるのに 彼女のヴォーカルはそれを軽々と凌駕してしまうんだよ。
もう "悠々と" とか "滔々と" とかいう感じだ。すごいね。
それに ほとんどのフレーズの歌い出しで 前の拍を"食ってる"んだ。前ノリ。これがクリシェのコード進行と相まって 力強い そして流れるような推進力を感じさせる要因となってるんだね。気持ちいい。
"トランペットヴォイス" なるほど。
このDTMヴァージョンは でも 全体的にうまくいってない。何がダメなんだろうな。メインヴォーカルもコーラスも。ちょっと情けないね。