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Mr. Sandman : 1954 Release : DTM Cover Ver.

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コンピューターミュージック

 

【Vauhn Monroe

これ 元歌は Vaughn Monroe という男性シンガーだったんだね。
てっきり The Chordettes の歌だと思ってたけど。

Vaughn Monroe なんて歌手知らなかったよ。この人は自分のビッグ・バンドを率いたバンドマスターでもあったんだ。自分のバンド持ってたくらいだから いっぱし稼いでたんだろう。

 

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写真みると 典型的な"古き良き 豊かなアメリカ"のハンサムなオッサン。トランぺッターでもあったらしく その点 ハリージェームスの流れなのかな。と思いながら更にみてゆくと トロンボーン吹いてる写真もある(これはトミードーシーかグレンミラー?) 更に50年代にはカントリーに転向したらしいく ドレッドノートみたいなでっかいギター抱えた写真もあるな。しかもカントリーの畑でもそれなりの功績を遺したようだ。そうかと思うと どうやら映画にも出ていたようなので 人気も実力も兼ね備えた多才な人だったんだ。
で The Sandmanは その自分のバンドの演奏に乗って歌ったレコード。1954年5月だって。ソロで まあ歌いっぷりはフツーっちゃあフツーだけど これが大ヒットしたらしいね。だからむしろ The Chordettes とか The Four Acesの方は その大ヒットにあやかってレコーディングしたってことになる。
(Vaughn Monroeが54年5月発表。The Chordettsのヒットは54年の年末から年明け。Four Acesは55年になってからだから)

【バーバーショップ・ミュージック

そのVaughn Monroeさんはここではちょっと置いといて(失礼!) 
The Chordettsなんかのコーラススタイルについて振り返ってみる。
アメリカには伝統的に"バーバーショップミュージック"ってジャンルがあった。カルテット(4重唱)でアカペラってのが基本スタイルで 1900年代初頭には非常に人気があったらしい。ディズニーランドなんかへ行くと ストローハットのカンカン帽にストライプのシャツやジャケットを着て ラグタイムとかディキシーなんかを演奏してるバンドがいるよね。実際 ああいう派手な衣装を着ていたらしい。

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何故"バーバーショップ"なのかはハッキリわからないけど どうやら床屋が街のコミュニティとして存在していて そこにたむろする連中がヒマに任せて歌ってたことから そう呼ばれるようになったという説が。確かに 床屋で順番待ってる客なんて ヒマっちゃあヒマだ。店主にも歌自慢が多かったのかもしれないね。

 

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上の写真は Flash Mob Jazzの面々。ロンドンでちゃんとジャズの勉強をした連中らしい。もちろん Mr. Sandmanの演奏もYouTubeに載っている。


こういうカルテットのコーラススタイルは19世紀にはすでに存在していたらしい。そもそもアフリカ系アメリカ人たちには 独唱のブルースだけじゃなく アカペラでハモるスタイルが早くからあったしね。労働歌とかゴスペルとか。
(ドゥ―ワップはリード・ヴォーカルにバック・コーラスというスタイルだからまた違う)
こういうのミンストレルとかヴォードヴィルとかの芸人たちも演っていたわけだけど 職業にしてなくても 歌自慢たちは集まればハモってたんだろう。ルイ・アームストロングも子どもの頃 ニューオーリンズの街角でハモってたことを語っているね。今でいうストリートミュージックだな。

バーバーショップ・ミュージックは 4人のハーモニーがギュッと凝縮した密な感じが気持ちいいよね。それに4声だから複雑な響きにもなるね。3和音に4つ目が加わるんだから当然複雑になるわけだけど それだけじゃなく アカペラでほんとうに(純正律で)響き合った時の"倍音"がよりよく響き合うってことでもあるらしい。実際には発声してない音が倍音で聞こえるってヤツね。
このカルテット唱法には 和音構成上の決まりごとがいくつかちゃんとあるようでね デュエットやトリオじゃなくカルテットなのは やっぱり より音楽性を高めるためとかオシャレにしようとかいう意図から発達したんだろう。

 

Vocaloid で再現しようとするとうまくいかない部分が多々ある。声質が似かよっちゃってるとか 文字によって発声の音量にバラツキがあるとか そのへん4声のバランスとりながらも キッチリ分けるのがむずかしいね。
ドゥーワップの方がもっと特徴を出しにくいけど)