2019.7.20 の記事
カルマンギア
『カルマンギア 買おうかな...』
ある日突然 ふっと思いが浮かぶ
ある日突然 ふっと思いが浮かぶ
ナゼ? 何がキッカケ?
カルマンギアなんて 子どもの頃 友だちのお父さんが乗ってたなあ という記憶だけ
それ以来今日まで 目にしたことすらないというのに
ナゼ? 思い出せない・・・
カルマンギアは ボディのラインが飛び抜けてエレガント
ふくよかに膨らんだ腰から なだらかに続くお尻の流線に 現代の車にはない大らかさがある
(SCも 趣は違うがエレガントなラインを誇る)
インターネットで探し始めた
まず目につくのは中古車サイト
まったく何も分からず 色や金額を眺めていた
売り物としてのタマ数は多くなく 価格もピンキリだが 580万円! なんてのも
「へーッ!」
中古車のWebサイトから だんだん 愛好家のブログなどへ移ってみてゆく
写真だけなら無数の投稿がある
皆さんマニアック(当たり前か)
程度の差こそあれ さまざまに手を掛けていて 眺めていると たとえ自分の好みとは違っていても それぞれいいなあと思う
モスグリーン ブルー マリンブルー 黒 黄色 黄緑・・・
カルマンギアは 時代的にツートーンも多い
ボディが色付きで屋根が白 というコンビが多い
黒白 青白 黄白 赤白 緑白・・・
どれも それぞれいいなあと
もちろんコンバーチブルもある
いいねえ
そして 画像だからか どれもみんな綺麗
ぴかぴか光っている
『ホントかあ?』
騙しているわけではないだろうが 写真に撮ると綺麗に映ってしまうようだ
各部のアップの写真を見れば やっぱりサビやヘタリが見られるから
一方 全身サビだらけをマンマ見せているモノも
こんなの わざわざ買う奴いるのか
ダメージジーンズを好んで着るようなファッション感覚なのか
あるいは レストアの素材にするのかも
マニアばかりなのだから言うまでもなく それぞれ愛着込めて書いている。しかし故障の話がやたら多い
走行中オーヴァーヒートして停止した
夏は死ぬほど暑い
冬は防寒着が必要
雨降りには 雨漏りがひどく 雨合羽必須
サビでボディに穴が開いてる・・・
挙句
「ただ『カッコいいから』とか 『何となく乗ってみたい』 程度なら止めとけ」
「購入後の修理代などで 車両価格の倍の資金が必要だぞ」
などと脅して?いる
うーん あながち嘘じゃないかもな
あれやこれや調べてゆくと だんだん分かってくるし 購入条件も絞られてくる
(途中 ポルシェ356にも気がいく。これも全体に丸くて とても魅力的。特に真っ赤なヤツはすごくいい。欲しい!
しかしどうやら とてつもなく高価らしいのでスルー)
しかしどうやら とてつもなく高価らしいのでスルー)
さて具体的な選択
まず コンバーチブルは ”必ず”雨漏りする” というので 残念ながら対象から外す
そうだろう なんせ50年前の車なんだから。幌は言うまでもなく 骨から新しくしなければダメだと思う。そもそも修理屋がいるのか
それよりなにより 幌を閉めたときのスタイルが悪い
(幌は 日本では閉めてる時間の方が長いのだ)
コンバーチブルでない普通のクーペでも 老体を労わって「雨の日は乗らない」というオーナーもいる
(同じく 「雨漏り」とか 「ワイパーが役に立たない」とか)
●右ハンドルはハズせない
ハンドルはやっぱり右だな。駐車場でチケット取るにも支払うにも 左からじゃあ やりにくくってしょうながい(旧車に限らず 左ハンドルの人はみんな無理して我慢して乗ってるんだろうね)
駐停車するにも 壁に沿って左側に寄せて止めたはいいけど 自分が降りられない なんてことに・・・(そんなヤツはいないか)
●下回り 床がなるべくしっかりしたものが良い
(ボロボロのヤツもあるらしい)
●ETCとエアコン
ETCと エアコンは必須だろう
ETCがなければ有料道路料金で大損する
エアコンなしでは 夏は死ぬ
(購入後の新規設置となるようだが そもそも「エアコン」ではなく 「クーラー」しかないことが判明)
●1500㏄以上
エアコンつけるには 少しでも大きい方が有利だろうと
真夏 エアコンつけて渋滞にハマって… なんて状況を想像すれば エンジンは少しでも大きい方がいいだろう
(バッテリィは大丈夫か?)
(バッテリィは大丈夫か?)
●12V
古い車だと6Vらしい(’66まで)
エアコン設置とかライトの明るさとか さすがに6Vじゃあ非力だろう
●テイルランプは三日月
マニアの間では「角テール」が「最上の価値あるもの」らしく 価格も高い
しかし「三日月型」の方がカッコいいと思う
(ただし大型でないヤツ)
(ただし大型でないヤツ)
●丸いウィンカーレンズ
新しい時代のものは長方形になっていて 好きではない
●ダッシュパネルの「KARMANN Ghia」のレタリング
なぜか付いてないものもあるが あった方が断然カッコいい
(無くても パーツとして売っているので 後付けすればいい)
(無くても パーツとして売っているので 後付けすればいい)
●ボディサイドのモールディング
付いてないものもあるが 無いと どうもデザイン的に締まらない
(これも後付けで)
(これも後付けで)
●ボディサイドのメダリオン
これも必須
66年までのものは ”Ghia”のシンボルマーク(紋章=盾)に赤色を使っていてカッコいい
67年以降は ただの歯車マークになってしまっている
●ボディは白がいい
カルマンギアが欲しいと思った動機は
「優雅なデザイン」
これがすべて
「優雅なデザイン」
これがすべて
その優雅さを表現するには やっぱり白
(カルマンギアのオーナーはほとんどすべて”空冷好き”のようだが 私は このボディが好きなのであって 空冷である必要はない)
こんなふうに”その気”でみてゆくと 条件に適うものが なかなかないもんだ
アレがあればコレがない ここはイイががこっちがダメ
「おッ」と思うと 「Sold Out」・・・
そもそも右ハンドルが少ない
極端な話
エンジンはボアアップとか載せ替えとかいう手がある
電圧は装換すればいい
ETC・エアコンは後付け
ボディは塗り替え
などなど 後付けできるものは 優先度は下がる
となると最優先は
右ハンドルと
ボディの状態の良さ(特に下回り)
●名古屋
名古屋に かなりいい状態の車が
右ハンドルで1500だ!
アイボリーのボディに黒の屋根
これはよさそうだ!
これはよさそうだ!
夜中に目が覚めて 土曜日だったので 急遽 Kと一緒にそのまま現地へ行ってみることに
(途中のパーキングエリアから店へ電話するという向こう見ず)
(途中のパーキングエリアから店へ電話するという向こう見ず)
目当ての車両は 店とはだいぶ離れた場所で 一般家屋ながら広々したガレージに保管されていた
(友達のガレージを借りているとのこと。しかしなんと このガレージにはカルマンギアより目を惹くシロモノが!
どっしりしたパンヘッドのハーレーが!
どっしりしたパンヘッドのハーレーが!
埃まみれになって眠っているではないか!
『ウオッ!』
その友だちのだと。マニア垂涎ものじゃないか。すごい! しかも4台!)
『ウオッ!』
その友だちのだと。マニア垂涎ものじゃないか。すごい! しかも4台!)
さてそのカルマンギア
確かに 状態はかなり良い
下回りが良い
エンジンも調子よさそうでオイル漏れもない
『これならいいな』
この店 名古屋では長年空冷ビートルを扱う有名ショップらしい
何より その社長の 話の端々に空冷に対する愛着が伝わってくるのがいい
店舗(といっても小さな物置のような古さと狭さ)には パーツや雑誌が所狭しと詰まっている
(昔の 駄菓子屋とか古本屋とかの風情)
しかしどっこい 店舗の裏には大きな(狭い店舗よりキレイな)倉庫があり そこにはビートルやバスがずらりと勢ぞろい
(小さな駄菓子屋どころではなかった)
(小さな駄菓子屋どころではなかった)
もちろんどれも年代物
中には 「方向指示器」つきの車両までが
ピラーの中に赤いバーが埋め込まれていて そいつがピョコンと真横に飛び出してくるヤツ
ピラーの中に赤いバーが埋め込まれていて そいつがピョコンと真横に飛び出してくるヤツ
「全部で60台ぐらいは持ってるかな」と社長
『売れるんかい!』
もう道楽だね
もう道楽だね
このカルマンギアはかなり気に入って 『あれにしよう』 と思いながら帰ってきてから あらためてWebの情報を再確認してみる
すると! Webが更新されており まず画像がいきなり増えている
「写真が少なくてよくわからなかった」と私が言ったからだと思う。急遽 増やしたんだな
それはいい。しかしなんと
「1500㏄」 とあった記載が 「1200㏄」に変更されているではないか!
1500だから見に行ったのに!
恐らく このWeb情報は最初に掲載ミスしたまま放置されていた。それが 私が見に行って 「1500を探していた」と言ったことで あらためて確認してみたら「1500」となっているミスに気が付いたんだと思う。
確かに社長は 「この車一年くらい放置していたんだ」と言っていた。Webの記事も写真もそうだんたんだろう。
確かに社長は 「この車一年くらい放置していたんだ」と言っていた。Webの記事も写真もそうだんたんだろう。
(ダマすつもりはなかったと思う)
それで 残念ながら断念
●「愛媛5」
自分の希望条件にほゞ適う車両があった
右ハンドル 1500 アイボリィのボディに黒い屋根
名古屋のものと 排気量以外ほゞ同じ
程度も良さそう
(ウィンカーランプが丸くないが)
(ウィンカーランプが丸くないが)
ただし愛媛県だ
名古屋と同時に見ていたわけだが 遠いので後回しにしていた
「愛媛限定販売」とあるが その意味がわからず
さっそく飛行機の所要時間やホテル それに
愛媛FCの試合予定などを調べる
せっかくなら 車両の現認と抱き合わせで サッカー観戦もセッティングしてしまおうという欲張り
愛媛FCは あいにく直近の土日では生憎岡山でのアウェイ戦だったが
車を見てから 電車で岡山へ・・・ナビタイム乗換案内で調べてみる(松山から岡山はかなり遠いが)
『うん 行けなくはないぞ』と かなり強引
しかし 気になる「愛媛限定販売」の文字
これを店に問い合わせてみると 朴訥なしゃべりの男性が応対に出た
「愛媛5」という古いナンバー標記を遺したい
愛媛在住でないとこれが維持できない
だから「無理です」と そっけない口調で言われてしまった(そっけないというより おそらく朴訥なだけで 悪い人ではないんだろう)
うーん 残念
カルマンギア自体 それ程タマが出回っているわけではなく しかも右ハンドルはなお少ない
しょっちゅう中古車情報を見ていると お馴染みのモノばかりになる
そこで 徐々に妥協してゆく
●・・・と あれやこれや 現在晴れて?我が家に迎えた ”コニー” は そんな車の一台だった
右ハンドル
1500㏄
三日月型テイルランプ
丸型ウィンカーレンズ
ダッシュパネルのレタリングつき
状態はそこそこ
特別良くもなく 悪くもない
エンジンは調子良さそう
白ではなく そのうえもし購入しても 後々化粧直ししたい箇所も多数だったが なにはともあれ本牧へ見に行った
待ち合わせ場所は 本牧の横浜銀行の屋上駐車場。車はそこにへもってゆくと。休日だからそこを借りたようだ。Webペイジを見ると メルセデスやアウディなどの高級外車(中古)が地下駐車場にズラリ並んでいるが どうやら実店舗はないのかもしれない。まあいい
待ち合わせ場所は 本牧の横浜銀行の屋上駐車場。車はそこにへもってゆくと。休日だからそこを借りたようだ。Webペイジを見ると メルセデスやアウディなどの高級外車(中古)が地下駐車場にズラリ並んでいるが どうやら実店舗はないのかもしれない。まあいい
指定された屋上駐車場へ行ってみると他に車は全くなく そこに 真っ赤なカルマンギアが ”チョコンと座って待っていた” のだ。真正面こっちを向いて
それを見た途端 Kが「かわいい」と気に入ったようなので 決める
(これ演出だとしたらすごいね。違うだろうけど)
●ダッシュボード天板
何よりのこの車の(私の中の)評価を大きく落としていたのがダッシュボートの天板
元は赤だったものが 日に焼けて色褪せて くすんだピンクになってしまっている
場末のキャバレーのソファーみたいだ
これはイヤだなあ
再塗装するか 張替えるか
●タイヤ・ホイール
ごく普通のシルバー塗装のホイールに ただの黒いラジアルタイヤを履いている
これは無粋
バネ下荷重は少しでも軽いに越したことはないのでアルミにしたいが 気に入ったのがない
ワーゲン純正センターキャップの丸いポワンとしたスタイルはそのまま使いたい
ここは ホールを黒塗装して ホワイトウォールタイヤを履かせよう
●右ハンドル
ただし色が黒なので これは購入後 装換しよう⇒ベージュ
●インパネのボタン類や シフトノブなども黒
ボディの赤に対比させているわけだろう
これも購入後 装換すればいい⇒ベージュ
●「KARMANN Ghia」のメダリオン
ボディサイドに付いているはずのメダリオンがない
これは〝肝心の〟 というくらい必須
これも付けよう
●サイドモールディング
これも付いていないと締まらない
これも付けよう
●ボディは赤
白がよかったんだが 再塗装するか ま 赤のまましばらくは
●シートは白
これは とりあえずこれでいい
カヴァーすればいいし
フラワーベース
おまけだけど せっかくのワーゲンビートル独自のアイテムだから 後からつけよう
・・・
2019.6.7 納車と決まる
『さあて カルマンギアライフ 始めるか』
初期整備を終えた
我が KARMANN Ghia="Conny"
(2019.7.20 撮)