箱根峠から西へ分かれて芦ノ湖スカイラインへ。
天気が良ければ 富士山を常に眼前にしながら 実に快適なドライヴを満喫できるぞ。
樹林の中をゆくワインディング。
小さなカーヴもあるが 路面は整備されているし ゆったり流すなら全線走りやすい。
それに何より 森に包まれてドライヴすることの気分的和みがあり 満足感が高いね。
そして この満足感の最大の要因は何と言っても富士山!
スカイライン途中 樹林の切れ間から
(Marthaと富士山)
富士山はどこからでも見ることができるが この道からの富士は楽しいね。
道路はアップダウンを繰り返し かつ樹木の切れ間が頻繁にある。したがって ワインディングを上ったり下ったり ハンドルを右や左に切り返しながら進むと その都度 富士がアッチに見えたりコッチ現れたりすることになる。左と思えば今度は右に。しばらく見えないと『あれ? 富士山どこいった?』となるよね。
すると突然 真正面にドカン と現れたりして『おッ』と驚かされるわけだ。これが連続していて実に楽しい。
当然のことながら 展望のためのスぺイスもところどころに設けてある。ヴューポイントってやつ。そしてその眺めは確かに素晴らしく どこも絶景と言うに相応しい。
雄大な富士 眼下に広がる三島・沼津の街と駿河湾。料金所が計3ヵ所もあるが その料金はこれら絶景を眺めるための拝観料だと思えばまったく高くない。
(天気が良ければだな)
天気が良いということは もちろん"富士山参観日和"ということでもある。
そこでちょっと話はズレるが
富士を眺めてコーヒー一杯というなら 乙女峠の御殿場側 トンネル脇のカフェがまさにうってつけなんだ。
箱根に絶景ポイント数々あれど 富士を見るならここ 仙石原から乙女トンネルを抜けたここが最高級のポイントじゃないかな。
(この「ふじみ茶屋」は最近オシャレなカフェへ変貌を遂げた)
いやここはね ただ「見る」だけじゃないんだ。
その「出会い方」が最高級なんだよ。
この記事では芦ノ湖スカイラインから富士を眺めるという視点で書いているわけだが 富士山との「出会い方」から言えば これは違うルートからの方が断然いい。
(だって 芦ノ湖スカイラインからさんざん富士山を眺めたあとじゃあ あの感動はないからね。出会い方大事)
いちばんは 小田原の方から。山道をエッチラオッチラ上ってきて 宮城野だの仙石原を通り抜けて つまり箱根の山の中を走り抜けてようやく乙女峠へ辿り着くってのがいいんだよ。
仙石原から上がって乙女峠へ。
そしてトンネルを抜ける。
すると ドーンと! いきなり右手に巨大な富士の雄姿が!
これには誰もが『わッ』と驚くぞ。
遮るものなく 長いすそ野を左右いっぱいに伸ばした堂々たる風格。眼下には御殿場の街が広がっているんだ。
この感動をゼヒ味わってもらいたい。
(初めてじゃなくても 毎回『おッ!』となる)
♪ ふ〜じは に〜ぽん い〜ち〜の〜やま〜 ♪
(天気の良い日にね!)
乙女峠から
お話 戻して。
芦ノ湖スカイラインは厳密には 箱根峠~湖尻峠~湖尻まで。
その湖尻からは一般道を仙石原へ上がって 仙石原の交差点を左折 国道を西へ上がってゆくと乙女峠(トンネル)というルートを辿ることになる。
さて 芦ノ湖スカイラインを普通に走って行けば 湖尻峠を右へ折れずにそのまま進むことも もちろんできる。
ここからは箱根スカイラインという名称だが(紛らわしい!) 特に意識せずに進むだけだからまあいい。この道は長尾峠まで続く。
ただし 残念ながらその長尾峠から先が「快適」とは言い難いんだな。
グイグイと深沢あたりまで降りてゆくんだが これが急峻な下りの連続。かつ カーブがきついんだ。
いや だけどオートバイならこれが真逆になる。
オートバイライダーならワクワクするような むしろ楽しい道ってことになる。小さいカーブがこれでもかと連続しているから 特に下から登ってくる場合 コーナリングを存分に楽しむことができるぞ。小排気量のオートバイでギンギンにコーナーを攻めるにはうってつけの道なんだね。
(私自身 昔オートバイに乗っていたころはよく走りに行った)
つまり オートバイなら楽しくても4輪でゆったりなんぞ走れないという道なんだよ。
ところで 実はこの長尾峠の東側に 長尾トンネルってのがある。見過ごすかもしれないような地味なトンネルだ。トンネルのちょうど真ん中辺りに県境があって 西側が静岡 東側が神奈川。文字通り峠のトンネルなんだね。
芦ノ湖スカイライン 箱根スカイラインと快適に走ってきてこのトンネルを前にすれば 『あれ~ 何だここ~』と 知らなければちょっと心配になるんじゃないか。
くぐった先にはむろん道路は付いている(当たり前)。
しかし まずこのトンネルがやけに細くて暗い。抜けた先の(神奈川県側の)道幅も極端に狭く しかもクネクネがずっと続く。ほゞ全線Rがキツくて狭いうえに 先の見通しが悪いんだよ。あれじゃオートバイでもとても快適とは言えないな。
あそこで以前 ポルシェと大型バイクの事故に遭遇したことがある。
カーヴを曲がった先にポルシェが停車していた。『あれ~?』と思ったら 誰かが道を誘導していて 見れば傍らに大型バイクがひっくり返っていた。
『わ こんなところで』ってな場所だよ。
消防車が1台きていて その隊員と 別のもう一人のライダーらしき人が話をしていた。当該バイクのライダーはすでに搬送されていった後らしかった。
(道を誘導していたのは 恐らくポルシェのドライヴァー)
それにしても 車がゆっくりならすれ違えるというような狭いあんな道 スピード出せるわけもないし どういう事故だったのかね。
と言うわけで
「富士を眺めながらの快適ドライヴ」というなら
「箱根峠から芦ノ湖スカイライン~湖尻峠まで(湖尻へは降りず)」
あるいはその先
「~箱根スカイラインで長尾峠まで」
と言うことになる。
箱根・伊豆はどこをどう走っても楽しい。
(そして通行料が高い!)
箱根峠から長尾峠までの20キロ弱。富士を眼前にしてノンストップで北上するこのルートが快感だ。
天気の良い日にはね。