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カルマンギア Poor man's Porsche

 

Poor man’s Porsche

Rich man's Beetle

 

Karmann Ghia

カルマンギアはドイツ・イタリア3社合作のスポーティカーだ。

最大の魅力は 何といってもその流麗なデザイン(というかデザインのみ?)

滑らかな曲線を描くボディラインが極めて美しく エレガントかつセクシィ。

 

ギア=イタリアのカロッツェリアがデザイン

カルマン=ドイツのコーチビルダーが車両製作

フォルクスワーゲンType1のコンポーネンツを流用

 

大衆車ですでに定評を得ていた「フォルクスワーゲンType1Beetle」を素材に それよりはちょっと高級でスポーティな車として作り出されたものだ。

 

1955年 1200cc Type1 Beetleをベースとした新車を発表 販売開始した。

その後 1,600までの排気量アップや Type3までのモデル追加などを経て 1973年まで継続生産された(ブラジルでは1975年まで)

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Type 1

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Type 3

 

 

日本ではもともと知名度の低いカルマンギアだが その名を聞いて思い浮かべる人がいたとしてもType1の方だろう。カルマンギアの魅力は1にも2にも曲線を強調したそのデザインであり それすなわちTyape1を指すはずだ。Type3が後から併行販売されたが デザインがType1とはまったく違ってしまっている。(だから?)Type3は後発でありながら 1969年 一足先に生産終了となっている。

 

 

そのType1。

スポーティと言っても それは見た目の恰好だけ。なんせベースがBeetleなので 性能的には当時としても大したことはなかったはずだ。

しかし冒頭述べたように デザインが飛びぬけて流麗だった。しかも車高が低く いかにもスポーティな印象を醸し出しているではないか。

逆に Beetleであったがための利点として メンテナンスが容易で価格も安いときていた(Beetleよりは高価) それゆえ "Poor man's Porshe"と揶揄されながらも 一定の人気を維持することができたのだ。

スポーツカーのPorsheより安価だから "Poor man's Porsche"
大衆車のBeetleよりは高価だから "Riche man's Beetle"

 

しかし 何故か日本ではヤナセが扱ったことで? "Poor man's..."どころか 超高級輸入外車の範疇だったようだ。

庶民じゃ乗れないBeetle!

なんせ 当時 日本の高級車と言えばトヨペット・クラウン。”社長をお乗せするお車”だったんじゃないか?  それが112万円だったのに対し このカルマンギア なんと149万円! だったらしいのだ。ウホッだね。

車に乗ること自体 庶民の夢だった時代。それが たかだか1200cc程度で しかも2人しか乗れないクーペ(4人乗れることにはなっているが)のくせに 社長の車よりはるかに高価だったとは。
私が中学生の頃だったか 友達のお父さんが乗っていて 『カルマンギア? へんな名前だけどカッコイイなあ』と思った記憶がある。いやあしかし 車どうこうより 今から思えば Poorman‘s どころか あいつんチ どんだけ金持ちだったんだか! という話だな。

 

(映画『Once upon a time in Hollywood』では ブラッドピットが夕暮れ時のサンフランシスコをぶっ飛ばすシーンが流れていたな。オンボロなんだけど ブルーグレイというか シブいカラーのヤツだった。タランティーノの子どもの頃の実体験として おじさんにカルマンギアのような車に乗せてもらって よくサンフランシスコの街をドライヴしたんだと紹介されていた)

 

ということで 我が家のカルマンギア'67
こうして写真で見る限り ピッカピカ。しかし現物はやはりあちこちサビやガタが。
まあ 買ってから手を入れるつもりだったから 多少のボロは織り込み済みだった。なんせ50年前の車だからね。中古としてもそんなに安モノではなかったんだが それでも購入後の費用 なんだかんだで100万円くらいは費やしている。だからこれを市場の売値に換算すれば けっこう高価な車両ってことだわ。

う~ん それにしても性能は平凡でもカッコはいいよな。究極の自己満足。

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